暦の上では夏も終わり、4ヶ月に及ぶ減量も中々うまくいって過ぎ去る季節のノスタルジーをしみじみと感じながら、10日ほどある程度自由な食事を楽しんでいた筆者であります。
おそらく減量によって消費した筋グリコーゲンの補充もある程度完了したはずなので、これからしばらく増量期に入ろうと思っています。そこで今回は、僕がどういう戦略で効率よく筋肉を増やしていこうと考えているかを数記事にわたり説明してみようかなと。
筋肉をつけてカッコいい体になりたいけど、太れない自分はどうすればいいんだろう…と悩んでいる痩せ型のあなた、詳しくは後述しますが増量という点では現状体脂肪が少ない人の方が有利です。今回の記事では、食事のカロリー設定と減量へ切り替えるタイミングに絞ってご紹介。
増量の基本は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ること
まず大前提。食べても身体が大きくならないという方は特殊な疾患がない限り、
消費カロリー>摂取カロリー
という状態になっているのが原因。いっぱい食べてますけど!?とお思いの方もいるでしょう。ですが消費カロリー量は日常の活動量はもちろん、体脂肪率や筋肉量、代謝の良さや褐色脂肪細胞の働きなどその人の状態によって幅があります。まずは自分のおおよその消費カロリーを計算して、
消費カロリー<摂取カロリー
の状態まで持っていくことが重要です。自分のおおよその消費カロリーは、
除脂肪体重(kg)×40
で計算できます。除脂肪体重はその名の通り体重から体脂肪の重さを引いたものなので、
体重−体重×体脂肪率
となりますね。例えば体重70kg/体脂肪率10%のタカシくんの1日あたりのおおよその消費カロリーは、
70kg-7kg=63kg
63×40=2,520kcal
となる訳です。この数値に増える筋肉分のカロリーをプラスして筋トレをすれば少しずつバルクアップしていきます。筋肉の増える量はトレーニング歴に応じて1年あたり、
1年目(初心者)10kg
2年目 5kg
3年目 2.5kg
4年目 1kg
理想的な筋トレと食事が出来れば、初心者は年に10kgも筋肉が増えます。とはいえ栄養指導からトレーニングメニューまでしっかり行ってくれるトレーナーが付かない限り現実的ではないと思うので、初心者の方は年に5kgほど増えると仮定するのが無難でしょう。
筋肉が1kg増えるのに必要なカロリーは5000kcalなので、日割りにすると約13.7kcalとなり、年5kg増やす方は、
13.7×5=69kcal
1日69kcalを先ほどの消費カロリーにプラスすれば良いという事になります。つまり、タカシくんが年に5kgなるべく体脂肪をつけずに筋肉を増やしたいなら、
2,520+69=2,589kcal
程度を1日に摂取すれば良いと!(※ただしこれはあくまで理論上の数値で、詳しくは次のトピックで記しますが1年を通して増量し続けるのは得策ではありません。)
消費カロリーには個人差があるので、まずはこの数値を基準に体重などを測りながら様子を見て適宜調整していくのがいいでしょう。
増量と減量は切り替えながら!じゃあ、何を基準に切り替えればいいの?
なるべく筋肉のみを増やす事を心がけたとしても、増量期は体脂肪も増えていくのが一般的です。かっこいい身体を作るには増量して筋肉をつけた後、その筋肉を極力減らさず体脂肪を落とす減量を行わなければなりません。
また、増量して体脂肪率が上がっていくと、徐々に筋肉が増えにくく体脂肪が増えやすい状態になっていきます。
人間の恒常性(ホメオスタシス)という機能によりカロリーオーバー状態にも身体が適応し、反応も悪くなってくるので、増量期と減量期を切り替える事が重要なんですな。
ジャーナルに掲載された2008年の研究によると、体脂肪が多い時に減量を行うと筋肉よりも脂肪が落ちやすく、体脂肪が少ない時に増量を行うと体脂肪よりも筋肉が増えやすくなるという傾向がはっきり現れたとのこと。現状太っている人は減量から始め、痩せている人は増量から始めましょう!
切り替えのタイミングは自分の体重の推移やコンディションで判断するのが一番ですが、増量から減量に切り替える目安として体脂肪率15%(女性は24%)を分水嶺とするのがオススメ。減量から増量に切り替えるタイミングはオフシーズン時には10〜12%(女性は19〜21%)に留め健康状態をキープし、夏場の減量で自分の満足するレベルまで体脂肪率を落とすのがいいのかなと思います。
とはいえあくまでやり過ぎは健康を損ねるのでご注意を。過度なカロリー制限はストレスホルモンを増やし、甲状腺に悪影響が出る事が研究によって示唆されています。
ネットで「体脂肪率 見た目」と検索すれば現状の体脂肪率も見た目でおおよそ判断できるので、それに応じてまず自分は増量か?減量か?を決めてみて下さい。
まとめ
・増量の基本は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ること!
・恒常性により身体が適応してしまうので、適度なタイミングで増量と減量を切り替えよう!
・増量から減量に切り替えるタイミングは男性15%、女性24%を目安に!
・減量はオフシーズン時には健康に害のない男性10〜12%、女性19〜21%程度にとどめ、がっつり絞るのは夏の減量のみ!やり過ぎに注意しよう!
こんな感じです。減量と食事に関しては過去に一度まとめたので、参考にしてみて下さい。こちらに書かれている基本的なカロリーとPFCバランスの決め方は増量にも転用出来るので、良かったら目を通してみてくださいね!
次は筋トレのメニューの組み方に関する情報をまとめる予定です。それでは!