健康を訪ねて3,000REP

健康に関する情報や筋トレの実践日記をメインに書いていこうと思います!

運動で健康を手に入れたいなら、今すぐ"歩き始める"べき理由その3:脳機能は"BDNF"で開発できる

ウォーキングシリーズ第3弾です。前回はウォーキングはめっちゃメンタルにいいよ!という記事をまとめましたが、今回ははウォーキングと脳機能についてお話ししていきます。

 

はじめに脳について少し。僕らの脳って通説では20代以降は少しずつ衰えていく、みたいな認識があるかと思います。僕もそう思っていました。

しかし、最近の研究によればどうやらそれは間違った認識のようで、成人してからも脳の神経や質量は増えるようです。2011年にロンドン大学の神経学者イレーナ・マグワイアー教授が行った研究では、道が複雑で入り組んだロンドン市街を走るタクシードライバーは、ドライバー歴が長くなるほど海馬後部が有意に大きくなっていたそう。

 

また、2012年のアメリカとイスラエルの研究チームが行った研究では、老眼の被験者に週2、3回のペースで3ヶ月間、視力のトレーニングを行ったところ、読むスピードが上がり、60%小さい文字が読めるようになり、新聞を老眼鏡なしに読めるようになったとか。さらに面白いのが、被験者の目の弾性や水晶体には何の変化もなく、脳神経の信号処理能力が向上した事が視力アップの理由だったみたい。

 

他にも、様々な研究で脳はいつからでも開発可能!という結果が出ています。限度はあるけど、そこまで年齢関係ないよ!って事ですね。

 

 

 

では、ここからはウォーキングで脳はどう変わるか?を具体的にご紹介します。

 

 

 

 

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軽い運動を10分するだけで「実行機能」が上がる

2014年のオランダで行われた精度の高い19件の論文のデータをまとめたメタ分析では、

10分の軽い運動で「実行機能」が大幅に上がる!

という結論を出しています。実行機能というのは脳に備わった思考や行動を制御するシステムのことで、

・意思決定したり望ましい行動に集中したり

・目標に向かって行動する事を促進したり

・慣れない状況下での行動を最適化したり

といった役割を担っています。1日10分から効果が出るのはすごいですよね…!

 

 

また、2010年のイリノイ大学が行った研究では、被験者に1日40分のウォーキングを週3回行ってもらい、その後fMRIで脳を調べたところ、脳の神経回路が有意に増え、DMNの連絡が良くなったそう。

 

DMNとはデフォルトモードネットワークの略で、無意識の状態でスケジュールの微調整をしたり、作業の同時進行を円滑にするような処理を行う脳のシステム。意識的に使う脳の部位の20倍ものエネルギーを使っているとも言われている重要な部分です。研究者の見解をまとめると、

DMNの連絡が円滑になれば、認知タスクのパフォーマンスも上がる。プランニング、スケジューリング、ワーキングメモリ等の性能が高まる効果が期待できる。

とのこと。運動は脳の無意識の活動にも良い影響を与える訳ですね。

 

 

さらに、2014年のスタンフォード大学の研究では、5分〜16分のウォーキングで創造力も上がる!という結果も出ています。

176人の学生に5〜16分の間、

・歩きながら創造性のテストを行ってもらう

・椅子に座って創造性のテストを行ってもらう

その後採点した結果、歩きながら考えたグループの方が斬新なアイデアを思いつく確率が60%も高かったそうです。ウォーキングが脳の無意識の活動にも影響を与えるという事から考えると納得のいく結果ですよね。

 

 

 

 

 

 

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脳のパフォーマンスを上げる要因は、BDNFにある

ウォーキングがここまで脳の成長につながる要因として、BDNFの増加が挙げられます。

BDNFとは、日本語で脳由来神経栄養因子(むずい!)といって、

・脳細胞を増加させたり

・シナプスの機能を高めたり

・神経伝達物質の合成を促したり

とまぁ〜脳にめちゃくちゃ大事なタンパク質の一種なんですな。2011年に日本生物学的精神医学会誌に掲載された論文には、慢性的なストレスによってBDNFの量が減る事がうつ病の原因ではないか?という仮説も提唱されているほど。

うつ患者の海馬の大きさは年齢、性別を一致させた健常者よりも有意に小さいという2009年のメタ分析も踏まえるとBDNFが脳機能や質量そのものに大きな影響を与えるという事が言えるかと思います。

 

 

前述の通り、脳機能は高齢の被験者でさえも一定期間の介入行動で変えられるというデータが様々あります。権威ある心理学団体であるAPA(アメリカ心理学会)の調査でもエクササイズは短期的にもストレスレベルを下げ、長期的にもストレスに強い脳を作るという結論を出しています。ウォーキングないしエクササイズはBDNFを増やし、脳機能を向上させる絶好の健康習慣であると言えるでしょう。

 

 

 

まとめ

・脳機能は年齢関係なく開発可能だよ!

・ウォーキングは実行機能やDMNを向上させて脳のパフォーマンスを上げてくれるよ!

・BDNFが脳にはめっちゃ大事!運動するとこれが増えるから脳にいいんだね!

 

 

という感じです。僕もブログを書くときや本を読む時ははステッパーに乗って歩きながらを心がけて以来、気分はいいわ記憶は残るわで毎日楽しいです。笑

 

 

3部作でお送りしてきましたウォーキングシリーズ、いかがだったでしょうか?少しでもモチベーションに繋がれば幸いです。その1その2も合わせてどうぞ。

 

では、また次の記事で!