「食物繊維が身体に良いってのは聞いたことあるけど、どんな効果があるんだろ?」
今回はこの疑問に答えていきます。
この記事を読むと…
・食物繊維の健康効果が分かる
・食物繊維の種類と効能が分かる
では、さっそく始めていきましょう!
食物繊維の健康効果3選
1.腸内環境を改善し、肥満や免疫力を改善する
食物繊維は腸内細菌のエサになったり、腸の動きを活発にして排便をスムーズにしたりと、腸の健康を維持するために欠かせない栄養素です。
食物繊維が食欲や肥満を抑える経路はいくつかあります。1つは食物繊維が小腸で大量の水分を含み数倍〜数十倍に膨れ上がることで満腹感を得られる為。
続いて、腸内細菌が飢えを感じると迷走神経を通じて脳に働きかけ、食欲をブーストさせる事が分かっています。ゆえに、食物繊維を腸内細菌に与える事で食欲の暴走は収まります。
さらに、腸内細菌は食物繊維を発酵させ、短鎖脂肪酸という物質を作り出す事で、主観的な食欲を減らす事も分かっています。イヌリン16gを飲んだグループは、プラシーボ群に比べて21%も食欲が減ったという研究もあるくらい。
腸内環境が良くなると、免疫力も高まります。腸壁は、絨毛という細かいヒダによって表面積を増やし、吸収効率を高める構造になっているため、悪性の細菌やバクテリアが入り込む問題があります。食物繊維を摂ると腸内細菌がそれを元に酪酸を作り出し、腸壁にバリアを張って有害物質を駆除してくれるのです。
2.メンタルを改善する
食物繊維を摂ると、メンタルも改善します。前述の通り、脳と腸はリンパ管や迷走神経で繋がっていて、腸内環境が乱れると脳にもその影響が及ぶ事が確認されています。
この項目に関しては以前まとめた記事を参照してもらえればと思いますが、腸と脳は密接に繋がっていて、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの90%、やる気ホルモンと呼ばれるドーパミンの50%以上が腸で生成されています。
3.死亡リスクを下げる
食物繊維で腸内環境を整える事は様々な疾患のリスクを下げるため予想がつくかと思いますが、食物繊維で死亡リスクが下がるという面白い研究もあります。
食物繊維に関する過去67件の研究、180万人分のデータを精査してまとめたメタ分析によると、食物繊維の摂取量が多い人は少ない人に比べて、
・死亡率、心疾患の発症率が23%低い
・癌の発症率が17%低い
・炎症性の病気の罹患率が43%低い
という傾向が確認されたみたい。かなりの健康効果ですよね。この研究では、食物繊維の摂取量が10g増える毎に死亡率が11%、心疾患が20%減るという傾向も認められています。
ただし、上限に関しては述べられていなかったので補足すると、食物繊維を摂り過ぎると栄養素の吸収が妨げられたり、便秘が起きたりという副作用も出て来るので注意。厚労省が推奨する食物繊維の摂取量は20〜27gですが、狩猟採集民族の平均摂取量は42.5gというコロラド大学の調査もあります。最適な量に個人差はあるものの、30g程度までなら増やしても問題ないでしょう。
ここまではつらつらと食物繊維のメリットについて書いてきましたが、ここからはその種類と効果についてさらに説明していこうと思います。
食物繊維の種類と特徴
1.不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい食物繊維です。保水性が高く体内で膨れ上がるため、腸の蠕動運動と排便を促してくれます。また、咀嚼の回数が増えることで満腹感も得られます。日本人の食物繊維の摂取量の大半がこの不溶性食物繊維と言われていて、穀類、野菜、豆類、果物などに多く含まれています。
この不溶性食物繊維の比率が多すぎると便秘の原因となる為、摂取量には注意が必要です。
2.水溶性食物繊維
その名の通り、水に溶けやすい食物繊維です。粘着性があり胃腸内をゆっくりと移動するため、お腹がすきにくくなり過食を防ぎます。また、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇も防ぎます。その他コレステロールの吸収をブロックしたり、動脈硬化を防いだりといった働きをします。ペクチン、グルコマンナン、イヌリン、サイリウムなどがあり、果物、芋類、海藻類に多く含まれています。
不溶性食物繊維とは対照的に、摂りすぎると下痢を起こす事があります。バランスが大事。
3.レジスタントスターチ
水溶性と不溶性の特徴を併せ持つ食物繊維で、特に腸内細菌のエサとして優秀です。白米、ジャガイモ、さつまいも、にんじん、かぼちゃ、マッシュルーム、りんご、アボカドなどに多く含まれています。面白いのが、冷やすと増えるというところ。ポテトサラダや冷や飯、スイートポテトなどを食べると効率よく摂取出来そうです。
これらの種類と特徴を踏まえた上で、手軽に水で飲める食物繊維をいくつかご紹介してまとめに入りたいと思います。
オオバコ(ホールサイリウム)
研究データも多く、安心して摂れる食物繊維の1つ。70%が水溶性で30%が不溶性とバランスも良く、
・リーキーガット改善効果
・体内の炎症を和らげる効果
・糖尿病を和らげる効果
あたりが確認されています。1日大さじ1杯をコップたっぷりの水で飲めばOK。
イヌリン
こちらは果物などに含まれる水溶性食物繊維の一種。こちらも研究データが豊富で、前述の通り食欲を抑える効果が高いのが特徴。手に入れやすいのも良い所。
ポテトスターチ
じゃがいものレジスタントスターチを精製したもの。片栗粉のような質感(料理のとろみをつけるのにも普通に使えます)で、粉末中に70%ポテトスターチが含まれているので、大さじ1杯を飲めば良い感じの量のレジスタントスターチが摂取出来ます。
まとめ
・食物繊維はとにかく沢山のメリットがあるよ!
・摂りすぎとバランスには注意しつつ、摂取量を増やすように心がけよう!
では、今回はこの辺で!